No emotion

闇と厳冬

囚われの身、過去の足枷。

 

 

きっと、人の心を壊してボロボロにしても

相手は痛くて痒くもなくて、呑気に笑っている。

そして人を貶めて、

自身は息をしている事に安堵するのだ。

 

悪気なく、自身の保身の為ならば、

誰かの心を壊すなんて簡単で、呆気ない。

 

でもね。こちらは心身共に傷付いた、

壊われかけたアンバランスの身体を抱えて、

苦悩しずっと過去の記憶に囚われている。

心がズタズタにされて、心が狂って

感情すら失って。

 

相手は何も考えず、のうのうと生きている。

傷を抱えた者は、感情すら失ってしまった。

 

 

この傷は

ずっとこれからも癒える事はないだろう。

 

抜け出したい、と思っても、

あなたが残した爪痕は消えないし消せない。

過去の足枷が邪魔をしては、前を闇夜に差し出した。

前を向いてはいけない、と言わんばかりに。

 

だからこそ、

前を向きたくても、向けないのだ。

傷を付けられた年月が長過ぎるから、

その癒えようとする度に傷を付けられては

傷の回復も遅くなる。

 

心の怪我なんて、癒えないのだ。

 

過去が残した爪痕とトラウマを見ると、

病んで、病んで、あなたを憎しんで。

最後にはもうその、気力すらなくて。

泣きたくても、涙すら枯れている。